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2007年10月18日 (木)

受けてみたフィンランドの教育

「受けてみたフィンランドの教育」  実川 真由・ 実川 元子 文藝春秋  2007.9

Photo 「話題の」フィンランドの教育を取材した記事や著作はいくつか読んできましたが、実際に1年間留学した女子高生の体験記です。

国民性、学校生活や勉強への取り組み方、先生への尊敬・・・実際に教育を受けて生活した人ならでは。各章ごとに母親(教育関係も扱うライターらしい)の解説がついていて、日本人親の視点や留学後に同伴して訪問したフィンランドでの印象、留学前後の女子高生の変化など、本人の体験から漏れている部分をフォローしていました。

日本との違いはたくさんあるのですが、印象に残ったのが

・学校は勉強するところである、と教師・生徒・保護者が一致して認識していること。それ以外の「人を育てる」部分は学校に依存していない。教師は「教えること」のプロなので、生徒から尊敬され、また教える技術を向上させていく。

・知識があるというのが大前提で、求められるのは自分の意見や考えを表すことである。

という点。前者は、今の公立学校不振(不信?)を浮き彫りにするものだなぁと思います。後者は、PISAテストで日本の成績が下降している理由ですね。本当に賢い人はモノを知っているだけはない。

・社会安定という観点から、教育費を無料とする対象を居住権を持つものとしていること。(市民権だと移民が対象外になってしまうため。)

「国」をどういう状態に持っていくことが良いのか、そのためにはどんな施策が必要なのか、が現実的に採用されているな、と感心しました。

フィンランドの教育について読むたびに思うのは、

「次世代の自国をささえる人々をどんな人材としていくつもりか」を明確にし、そのビジョンを社会で共有され、教育システムとして整えられている

んだということ。付け焼刃の改革(?)で現場を振り回し、子ども達を実験台にし続けている今の日本と土台が違うと思う。

この数日の増税関係の報道で、”高福祉社会には20%近い消費税も仕方ない”って発言を耳にしましたが、いまの日本のままじゃ「高福祉」ってなっても、教育は荒廃しっぱなしで人材不足なんじゃ?という心配は消えません。

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